分刻みの行動管理はパワハラか?トイレ時間や回数も計測。 会社側は「労務管理のため」と説明

1: 2018/05/13(日) 15:10:30
西日本新聞 2018年05月13日 06時00分
https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/anatoku/article/415872/
会社内での女性の行動を記録した「週報」。「席を外す」「手帳に書き込み」などと分刻みで記されている

 国会で働き方改革関連法案の審議が続く中、職場のパワーハラスメント(パワハラ)への関心が高まっている。
特命取材班にも「会社で上司や同僚から監視され続けた」と訴える声が寄せられた。
トイレの回数や時間も記録されたという。会社側は「労務管理のため」と説明する。パワハラに当たらないのか。

 「私一人だけ監視され、苦しかった」。こう訴えるのは、大分県中津市に住む40代女性だ。
2014年8月、ある薬品販売会社の支店に入社。事務員として17年12月まで働いた。

 女性の話によると、支店ではサービス残業が常態化し、支店長が「サービス残業はうちの伝統だ」と
口にしていた。抗議した女性には残業代が支払われるようになったが、同僚との関係が悪化。
「仕事ができない。完全に駄目」と暴言を浴び、一人だけお茶を出されないなど職場ぐるみの嫌がらせが
始まったという。女性はストレス性の過敏性腸症候群を発症し、頻繁にトイレに行くようになった。

 「監視」はその後始まった。同僚が女性のトイレ時間や回数の計測表を作り、メールで支店や
本社の社員に送信。17年1~11月には、支店長が女性の行動を別の同僚に報告させていた。

      ■

 同社は17年12月、女性に解雇通知書を渡し、直後に解雇の有効性を確認する労働審判を申し立てた。
その過程で、同僚の報告をまとめた「週報」が証拠書類として示された。

 「週報」には離席時間だけでなく、「鼻にティッシュをねじ込みながらカレンダーを眺める」
「携帯メール」など、女性の行動が分刻みで記されていた。プライベートの予定を記した
女性の卓上カレンダーの写真を添え、携帯電話の通話先や就業後の行動を探る記述もあった。
女性は記録されていたことを知らなかったという。

 特命取材班に対し、同社は「就労時間中に長時間にわたって離席し、職務専念義務に違反していた。
プライベートを四六時中監視したわけでなく、労務管理上、必要かつ妥当だった」と説明。
職場で女性の就労態度に対する苦情があり、指導しても改善されないため報告させたという。
一方、トイレの計測表を社内で共有した点については「問題があった」と認めた。

 その後、同社が申し立てを取り下げたため、労働審判の結論は出ていない。

      ■

 厚生労働省の有識者検討会が3月にまとめた報告書では、パワハラは「職務上の地位など優位性を背景に、
適正範囲を超え、精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為」とされている。

 女性のケースについて、労働問題に詳しい森岡孝二関西大名誉教授(企業社会論)は「着替えや
喫煙の時間を計り、労務時間から引く事例はあるが、今回は女性に精神的苦痛を与えており、極めて珍しい。
業務に必要な範囲を逸脱し、パワハラ行為だ」と指摘する。

 もっとも、パワハラと業務命令との境界は、あいまいな面がある。

 全国の労働局などが設置する「総合労働相談コーナー」には16年度、パワハラを訴える相談が
計約7万900件寄せられたが、必ずしもパワハラとはいえず、業務上合理的な理由があるとみられる
事例もあった。厚労省ハラスメント防止対策室は「パワハラの法律上の定義はなく、労働関係法令にも
取り締まりの規制はないのが現状」と打ち明ける。

 NPO法人「労働者を守る会」(東京)の坂本真一理事は「会社の規模や当事者の気持ち、相手の立場などで
パワハラかどうかは変わり、セクハラ以上に基準が見えにくい。パワハラのない職場づくりに向け、
ケース・バイ・ケースで考えていくしかない」と話した。



元記事:http://anago.2ch.sc/test/read.cgi/bizplus/1526191830/

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Posted by WebMaster